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  BLOGY/Vol.14 「ちょっと一手間 → よりおいしいラープの作り方導入編 」


◆ 2006/3.11

 気づけばもう3月。
 一ヶ月も更新していなくってスミマセン・・・。
 独自ドメインを取得したので移行に伴い全体を作り変えていたら、思いのほか手間取ってしまい
 今月頭には完了する予定だったのですが、ずるずる延びてしまっています。
 画像が多い分できるだけ軽く、レイアウトが崩れにくいようにと頑張っているとこなので
 もうしばらくお待ちくださいませ〜。
 
 
 
 イサーン料理の代表的な料理である「ラープ」。
 細かく叩いた肉を和えた「挽き肉のサラダ」みたいなものですが、本場イサーンで食べるのと
 日本で食べるのとではちょっと違ったお味。
 もっといってしまうと、バンコクのレストランで食べるのとイサーンの田舎の食堂で食べるのとでは
 またまた違った味。
 日本で食べるラープはバンコクのレストランの味に近いです。

 イサーンのラープは飾りっ気などなくてとっても素朴な雰囲気。
 肉はゴロゴロしているし唐辛子もハーブ野菜もたっぷり。
 全ての自己主張が強く、味全体がまるでインパクトの塊のよう。
 それと比べると日本のタイ料理店のラープはお行儀のよいお嬢様といった感じでしょうか。
 
 その差はどこなのか?
 
 ラープといえば本来潰した動物を余すところ無く食べる手法であるということは
 COOKの項目でも記したと思います。
 肉を成形する際にでた細切れの部分や硬い筋ばった部分を、捨ててしまうのではなく
 おいしく食べれるように 「より細かく叩く」 という工夫をこらしたものです。
 そして肉類の量を増やすためだか勿体ないからなのかははっきりわかりませんが、
 レバーやモツ類を加えます。
 全体は濃く強い肉の味。
 それを解消し消化を助けるため等・・・にたっぷりのハーブ野菜を加え、和えあわせる。

 プリプリともいえる肉類の食感とシャキシャキの野菜。
 肉臭さとハーブ野菜の爽やかさ。
 しょっぱさと酸っぱさの先にある唐辛子によるピリピリとした刺激。
 味が対比と融和によってまとめられています。

 
 ところが日本だと粗挽き肉を使用している店は多々あれど、モツもレバーも入っている
 ラープをだしているお店を見つけるのにまず一苦労。
 そしてハーブ野菜がどっさりで辛さがずば抜けている・・・なんていうのは稀有。
 今のところ心の底から「これだ!」と思えたラープを出していたお店は一軒です。
 (東京・神奈川周辺でですが・・・)
 
 けれどお店側の事情を考えるといたし方のないことなんですよね。
 ラープ一品のためにモツ類を仕入れるというのはコストパフォーマンスを考えるとちょっと難しい。
 ラープの注文はソムタムやヤムウンセン・ヤムヌアなどと比べて格段に少ないですし、
 モツ類といえども日本の物価だと激安ってわけでもありません。
 生ものだし下手に冷凍保存しておけば臭くて食べられたものじゃなくなってしまいます。
 それに調理の下ごしらえに手間がかかってしまう。
 ハーブ野菜をたっぷり使いたくても日本でのお値段だと、使えば使うだけ
 お客さんに負担をかけてしまいとても高価な一品となってしまいます。
 本当にこればっかりはどーしようもないんですよね。

 
 店で食べられないのなら自宅で作ってみよう♪ということになるのですが、
 こちらもラープ一品のためにレバーやモツをそろえて調理するというのはなかなか難しいかと。
 ラープの全体量に対してモツ類の占める割合はどんなに多くしても40%くらいでしかありません。
 4人分のラープならばレバーはほんの一口大もあれば十分なんです。
 しかし肉屋さんへ行って「レバーを一口大だけ下さい」なんて言うのは気がひけてしまう。
 モツだって50gもあれば御の字。
 スーパーのパック詰めならばなおさら余りまくってしまいます。

 そこで登場するのが「牛スジ」なんです。

 スーパーにも肉屋にも売っている牛スジ肉。
 とろとろに煮込んだ煮込みは日本人にも親しまれていますよね。
 スジ部分に微妙についている赤身の肉と脂、そして硬いスジ。
 この肉・脂・スジというバランスも実はラープにもってこいだったりするんです。
 強い肉の味とブリブリしたスジはまるでモツ類が入っているような錯覚を覚えます。
 もちろん自分で細かくカットするのだから、自動的に粗挽き肉。笑
 ・・・というか、イサーンのラープにはスジがどっちゃり入っていることも多々なんで・・・。
 値段も比較的お安くお手頃なのもうれしい。
 今だと国産のものとオーストラリア産のものとがありますが、
 「国産じゃなければ牛肉は食べない!!」という強いこだわりがある人以外は
 できればオーストラリア産を買ってみて下さい。
 お買い得だから・・・というわけではなく、国産だと赤身部分にも脂のサシが結構入ってしまって
 いるんです。
 国産肉はただでさえ柔らかくて脂が多く、全体的に甘味が強いです。
 どうしても肉臭い力強さではなく、優しい甘味が前面に出てきてしまいますので
 肉にハーブ野菜と取っ組み合いの勝負をしてもらうためには、ここは迷わず外国産を
 購入して欲しいです。
 
 「でも牛スジって煮込んだりして扱いに面倒でしょ?」
 なんていう疑問がとんできそうですが、心配ご無用〜。
 スジ肉の煮込みを作るわけではないんですから☆
 スジを使う目的は「強い肉の味とスジ部分の食感」
 なので血抜きをしたり、とろとろになるまで何時間も煮込まなくていいんです。
 逆に丁寧に下処理をしすぎるとスジ肉を使う理由がなくなってしまいますよ。

 ハーブ野菜はパクチーよりもパクチーファランを使うことを絶対おすすめします。
 本当にビックリするくらい肉と相まってくれ、肉の臭みを丸ごと包んで旨味と風味に変えてくれます。
 ホムデンを買い足すくらいならば、玉ねぎに置き換えて是非パクチーファランを買って下さい〜。
 パクチーを大量に入れるよりもバイマックルーの千切りをワサッといれるのもおすすめです。
 

 「豚のラープが食べたいんだけど、豚スジって売ってないよ〜」
 ・・・確かに。笑
 我が家では近所で5mm大の豚挽き肉を売っていて、なぜかその挽き肉にはスジ部分や
 血の塊が混ざっているのでそれを購入しているんですが
 (しかも普通の豚挽き肉よりお安い。国産ので100g78円くらい)
 普通売っていないですよね・・・、そんな混ざり物の多いおかしな挽き肉。笑
 白モツや豚耳などを組み合わせるという手は無しにして、一種類の部位を購入するだけで済ますには
 どうするか・・・。
 一番最良なのは肉屋さんで独自に挽いてもらうことです。
 mm単位で挽き肉の粒の大きさを指定することってできるんですけど、
 面倒ならば「粗挽きで」と言ってしまいましょ。
 (ちなみに豚は国産をおすすめします。アメリカ産のだと脂身の嫌な臭みが残りやすい)

 「でもわざわざ挽いてもらうのって気がひけるし、面倒・・・」という人は自分でカットです。
 肩ロースの厚めの肉、トンカツ用がいいですね。(生姜焼き用だとちょっと薄い)
 肩ロースを使う理由は脂身がしっかりとついているから。
 しっかり加熱をして脂を抜いた脂身は弾力があり、プリプリしているのでそれを利用しましょう。
 そしてトンカツを作る際にスジ切りってしますよね?
 そう、その脂身と赤身の間に入っていることが多い硬いスジ?もこれまた食感を広げるのに
 一役かってくれます。
 作り方はロース肉を脂身も赤身もまんまただただ包丁で叩くようにカットしていきます。
 最初は縦に5mm大の幅に細切り→同じように横に5mm大に→5mm大四方のコロコロした
 肉片になったらあとは適当に叩く→好みの大きさになったら完了♪です。
 

 ラープガイは胸肉をちょっと荒めに細かく叩いたものが現地でも主流です。
 ヌアやムーに対してモツが入る比率は低く、入っていても
 砂肝や軟骨や皮がちょろっと・・・といった感じ。
 なので胸肉を買ってきて肉部分と皮部分を分け、別々にカット
 →別個で調理というようにすればよいかと思います。
 その際皮部分は長めに加熱して余分な脂を落とし、ちょっと硬いかな?くらいまで
 茹でてしまいます。(皮を茹でるのにはダシを使わずにお湯で十分)
 そうすると肉の食感との差がよりはっきり出てきて、皮のブリブリした食感が
 パサつきがちな胸肉を助けてくれます。
 (モモ肉を多少混ぜてもGOOD。その場合は肉片の大きさを胸肉よりも小さめに)

 ラープガイは肉臭さや力強さを堪能する・・・というよりも、どちらかというとあっさりした
 肉の旨味を味わえるので、あまりモツ類を多様するとモツが肉に勝ちすぎてしまい
 全体が「ラープ モツ」になってしまいます。
 モツが苦手な方には逃げ出したくなってしまうかも。
 なのでガイに関してはそこまで主材にこだわる必要はないかと。
 ただ胸肉は淡白な味なので加熱時間が長すぎるととっても味気なくなってしまいますよね。
 短すぎても衛生的に不安になるし。
 うまくダシを吸わせつつ加熱終了と同時に水分蒸発させる。
 これにはひたすら練習しかないのですが、お湯で茹でただけのものと比べると
 確実に旨味は増していて、たっぷりハーブ野菜を入れても肉がそれに負けてしまう・・・
 なんてことはなくなります。



 スーパーで売っている挽き肉を使ったラープとはビックリするくらい異なり、格段においしくなります。
 ハーブ野菜を揃えるのが面倒なら玉ねぎとパクチーくらいでもいいですから、
 是非一度肉ゴロゴロラープをお試し下さい♪
 強い旨味はハーブ野菜の味を堪能することもでき、タイ料理に沢山のハーブ野菜が使われる理由
 というのがなんとなくでも垣間見れるような気がします。


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  BLOGY/Vol.15「 ちょっと一手間 → よりおいしいラープの作り方実践編」

◆ 2006/3.11

 さてさて、牛スジラープ作り実践編です。


スジには赤身部分もくっついているので、別に他部位のお肉を
用意する必要はなし。
生の段階で血抜きをしたりする作業もなしです。


鍋にたっぷりのお湯を沸かし、その中に買ってきたスジ肉を
放り込みます。
切らずにただ投入するだけです。


再び沸騰してくると牛肉ならではの大量のアクが浮いてくるので、
思いっきりアクを取り除きます。
この「思いっきり」というのは丁寧にきちんと・・・という意味でも
適当にという意味でもなく、大胆にごっそりと〜といった感じ。
そしてそのまま放置します。


その後アクが出てこようが気にしなくてOK。
ただお湯から肉が顔を出さないように〜ということだけ注意して下さい。
火加減は中火から弱火の間にして、お湯全体がゆったりと沸いている
感じです。
肉が湯から顔をだして表面が乾いてしまわないためと、
アク取り用として、念のためリード紙を入れておくっていうのも
お勧めです。


30分〜45分くらい茹で続けましょう。
(※最初、魚の「霜降り」のように一度茹でこぼすとよりよいですが、
面倒ならやらなくてもいいです)


30分以上茹で続けるというと「手間かかるじゃん!!」と
思われちゃいそうですが、ほっとけばいいんですよ。笑
焦げ付く心配もほとんどないわけで、火事にさえ気をつければOK。
買い物に行ってスジを購入→帰宅したらとにかく鍋にスジをいれて
しまう→買ってきたものを片付けたり他の家事をしたり・・・
お茶でものんで一服していたら30分なんてあっという間☆

長くても一時間以内で火を止めるようにして下さい。
とろとろになってしまっては困っちゃいます☆
そしてまだ熱いうちに取り出します。
取り出したスジ肉はブリブリしていて、一見硬そうに思えるかも。
表面についたアクなどの汚れを軽く水で洗い、水気をふき取ります。


包丁で好みの大きさにカットしていきます。
比較的細かく切ってしまってもその食感が損なわれるということは
ないので安心して下さい。
切ってみるとよくわかると思うのですが、肉部分は適度な弾力に
なっているんですよね。
「ほろほろ」というわけでも、噛み切れないというわけでもない中間。
そしてスジ部分はプルンプルンでコラーゲンの塊♪
もし大きめの脂の塊がついていたら、このときに取り除いちゃいましょ。


カットした肉がまだ温かいうちに
「カオクア・プリッポン・バイマックルー・パクチーラオ・ホムデン・
 トンホーム」等と混ぜ、
「ナンプラー・ナムターン・マナオ等」で味付けをして出来上がり。
肉の味が濃いので、ナムトックのようにシーユーカオを多めに
いれてみてもいいです。

ブリブリ&ゴリゴリした食感と強い肉の味がたまらない一品です。
温かいうちに召し上がれ〜♪
冷めてしまうと肉に残っている脂が固まってしまい、
くどくて重たく・肉臭さで口の中がいっぱいになっちゃいます。



スジ肉を茹でていた茹で汁にはたっぷりダシがでているので、そのまま冷ましてから漉します。
琥珀色でとろんとしたきれいなスープが取り出せたと思うんですが、このままではちょっと臭みが強いはず。
なので少量の酒とカーやパクチーの根などのハーブ野菜等を加えます。
このスープ自体には味が全くついていないので、お好きな味に調味してお使い下さい。

八角を加え冬瓜を煮て「ヌアトゥン」のような風味を持つスープにしてもいいし、
クイッティオルアのスープにも変化してくれます。
やはり牛スープはシーユーダムとの相性がいいです。

もっと手間をかけるならば、すりおろしたリンゴ・玉ねぎ・くず野菜・酒を入れ再加熱
→漉して冷ます→塩・砂糖・醤油で調味→冷蔵庫でキンキンに冷やす→冷麺のスープもどきが完成。
(本来は豚からとったスープなんですが・・・)
冷麺がなくても中華麺やクイッティオを茹でて水で洗い、締めたものを使えばいいですよね。
(家庭で食べるものなんだから型にはまりすぎずに・・・☆)
酢やレモン汁・キムチの漬け汁等を加え、好みの具材をトッピングしてくださいませ。




 ◇おまけ◇

スジ肉はラープ以外にも使える食材だったりします。
「ヌアヤーンイサーン」
硬くて噛めば噛むほど旨味が広がって、酒のつまみには
ピッタリの一品です。


普通に牛肉を焼いたものもおいしいのですが、一度超ゴリゴリした
ヌアヤーンを食べてからクセになってしまったんですね。
スバ抜けた食感と味の強さに。。
そのゴリゴリの正体は内臓の管付近らしいのですが、
(どの部位の管なのかはわからず・・・)
それを再現すべく使ったのが牛スジさん。
見事にビンゴのゴリゴリ具合で、肉の味もしっかりあり、
かといって噛み切れないほど硬く、肉臭すぎるわけでもない。
タイ料理マニア向けの味ですが、はまる人ははまっちゃうはず。




「超ゴリゴリヌアヤーン」の作り方はいたって単純。


今度は茹でる必要は全く無しでラープよりももっと簡単です。
買ってきたスジ肉を2〜3時間調味料に漬けておき、グリルで焼くだけ。
焼いたらアツアツを細かく切って完成♪
お好みでチリソースをつけて召し上がれ〜。


調味料はお好みでお好きなようにアレンジ可なのですが、
シーユーカオとシーズニングははずせません。
砂糖やナンプラー・味の素を加えたり、
より甘味を持たせたいならシーユーダムを入れたり。
いかにもイサーンっぽくしたければカオクアとプリックポンをまぶしたり。
肉臭さが気になる・・・という方はゲェーンペーストを揉み込んで
スパイシーにしてみたり。


もちろん焼いてあるので、これをカットしたものを和えれば
「牛スジナムトック」になります♪
(ナムトックにした方が馴染みのない人には食べやすいかも)




以外と使える牛スジ肉を使ったタイ料理。
是非是非お試し下さいまし〜♪


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